"炎の画家"


『ゴッホの寝室』 (1888年) ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

フランス南部 アルルで借りた「黄色い家」のゴッホの寝室。
ゴーギャンが来る直前の10月に描かれた。
飾り気のない室内に、椅子や枕がふたつずつ描かれ、
ゴーギャンを待つ画家の心を反映しています。
『荒れ模様の空の麦畑』 (1890年) ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

ゴッホはサンレミの精神病院を出て、パリ北西の村オーヴェル・シュル・オワーズで
37年の生涯の最後の時間を過ごした。この作品は晩年の大作のひとつ。
母親に「この麦畑の大作に完全に没頭している」と書き送った。
広々とした空や果てしなく続く畑には、明るい色彩にもかかわらず、緊迫感が漂っている。
『荒れ模様の空にカラスの群れ飛ぶ麦畑』 (1890年) ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ

「今にも嵐が来そうな空の下に広がる麦畑を描いたもので、僕は思いきって悲しみや極度の孤独を
表現しようとした」(ゴッホ)
次第に垂れこめる黒々とした雲。地平線から湧き出るような、死を予感させる鳥。
風に大きく揺れる麦の穂、うねる道…この絵は、1890年7月、37歳で自ら命を絶った
"炎の画家"ゴッホの遺作となりました。

【ミニ知識】ゴッホ美術館 (アムステルダム オランダ)
1973年開館。設計はオランダの建築家、家具デザイナー ヘンリー・リートフェルト。
ゴッホ作品の他、同時代のポール・ゴーギャン、ロートレックらの作品、
ゴッホが傾倒していた日本の浮世絵、盛んに模写をしたミレーなども展示されています。
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