2009年06月28日
ロンドン・ナショナルギャラリー
トラファルガー広場に面した名画が集う英国最大の美術館ですね。
『アルノルフィニ夫妻』 (1434) ヤン・ファン・エイク
「まるで生きているようだ。これは人間が描いた絵なのか」
ヤン・ファン・エイクは、中世後期ゴシック美術に現れはじめた写実主義を追求し、
油絵の具を自由自在にあやつることによってフランドル絵画の黄金期を創出した
画家です。新婚のイタリア商人夫妻を描いたこの絵画は、シャンデリアや鏡の光沢、
新婦の緑の衣服と紅いベッドの鮮やかな対比、窓や壁や床の自然のままの材質感、
ぼかしを効果的に使った立体感など、画家の鋭い洞察力が光る作品です。
『岩窟の聖母』 (1508年頃) レオナルド・ダ・ヴィンチ
世界の創成期を思わせる風景描写は、"万能の天才"と呼ばれた
レオナルドの自然への深い関心の表れで、それはまた、万物を
創造した神の存在を暗示します。聖母の表情は『モナ・リザ』
の微笑を思い出させます。
(参考)
『岩窟の聖母』レオナルド・ダ・ヴィンチは、
ルーヴル博物館にも作品が展示されています。
いくかの部分が微妙に違っています。
【ミニ知識】 ロンドン・ナショナルギャラリー(イギリス)
1824年、J.J.アンガースタインの遺贈したコレクションをもとに開設。
当初はアンガースタインの邸宅を改装してギャラリーとしていたが、
1838年、現在のトラファルガー広場に移転した。
所蔵作品の点数ではルーヴル美術館、メトロポリタン美術館などの
巨大コレクションに譲るが、作品の質の高さでは他の大美術館に
ひけを取らない。
同じロンドンのテート・ブリテン(テート・ギャラリーのイギリス美術専門館)が
イギリス絵画を主としているのに対し、ナショナルギャラリーはイタリアなどの
外国絵画のコレクションが中心で、とくにイタリア・ルネサンス、オランダ絵画
などが充実しています。
☆地図情報
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